【特集】KNOCKOUT FES主催が本音で語る、次世代の音楽シーンへの期待

2015年から下北沢のサーキットイベントとして誕生した『KNOCKOUT FES』。
「ネクストブレイクが期待されるバンド・アーティストが集結する」をコンセプトに開催される本イベント。過去にMrs.GREEN APPLE、Shout it Out、リーガルリリー、ReN、the peggiesなどが出演。

出演者の大半が10代から20代前半のフレッシュなアーティストが揃っており、若い世代にアンテナを張っている早耳リスナー、関係者は要チェックのイベントである。 4月7日に5回目の開催となる『KNOCKOUT FES 2018 spring』を主催する下北沢MOSAiC店長・森本真一郎氏に話を聞いた。

[インタビュー・編集:佐々木拓也 撮影:あおきこうた]

「人間性や生き様」が曲に反映されてかっこいいバンドもいるし、表面だけ取り繕って「かっこいい風に見せてる」バンドもいっぱいいる。

ーーまずは『KNOCKOUT FES』を開催するきっかけを教えて下さい。

森本:MOSAiCの店長になって1~2年の頃は、ある程度キャリアを積んできた20代後半のバンドの出演が多かったんです。でもある時、もっと若い世代のバンドを集めて『KNOCKOUT』というイベント名でやったら、「ガツンと来る勢い」と「可能性」を感じてめっちゃ良かったんですよ。同世代のバンドが集まると、切磋琢磨して成長していく過程がわかりやすかったから、「まずはこれを根付かせたいな」ということで毎月開催しました。

ーーそれが盛り上がってフェスに?

森本:そうです。当時、仲良くしていた音楽事務所の人が「こういう若くて可能性のあるバンドがいますよ」っていろいろ教えてくれて「じゃあ、まとめてやりましょうよ」ということでフェスが始まりました。そこから今後は規模を広げて「フレッシュなバンドが一堂に集う日があれば面白いね」ということで、サーキットイベントになりました。

ーー出演アーティストを選ぶ基準はどこにあるのでしょうか?

森本:勢いを感じたり、動員が増え始めてるアーティストをチョイスしています。出演オーディションとかもないし、MOSAiCのスタッフの意見は信頼して聞いてます。あと、「このバンド無名だけど可能性あるな」と感じたとき、MOSAiCのイベントで『KNOCKOUT FES』に出てるようなバンドと共演させて、お客さんも共有してもらえるような流れを作ることもあります。

ーー可能性を感じるというのは、具体的にどのような部分に惹かれますか?

森本:演奏力とかパフォーマンスは抜きにして、何かを表現したいと思ってることの「核になる部分」が色濃く見えるバンドやアーティストに惹かれますね。 MCも含め、かっこいいこと言ってるけど、その割に「歌詞の言葉選びが希薄だな」とか、「曲の作り方が安直だな」とか、「もっと沢山音楽聴けばいいのに」とか…。表現したいからアーティストは身を削って研究して、より良い物をお客さんに届けたいはずなんですが、その辺の覚悟が安易なバンドには反応しなくなりました(笑)。

ーー次世代は担えないですよね(笑)。

森本:そうそう。ただ若いバンドでも音楽的にすごくアンテナ張って研究してたり、そもそも根っこにある「人間性や生き様」が曲に反映されてかっこいいバンドもいるし、表面だけ取り繕って「かっこいい風に見せてる」バンドもいっぱいいる。もちろんイベント自体の見栄えも気にしながらですが、極力その辺はバランス取りながら良いブッキングが出来ればと思ってます。

『KNOCKOUT FES』って言ったら「どうせこのメンツでしょ」っていうのは裏切っていきたいです。

ーー過去のラインナップを見るとギターロックが多い印象がありますが、その辺のシーンについてはどう考えていますか?

森本:『KNOCKOUT』を始めた頃に、the quiet room、BOYS END SWING GIRL、KAKASHIとかに憧れてMOSAiCに出演するようになったバンドがいて、必然的に近いジャンルが多くなりました。でも、ギターロックだけにこだわりたくないです。ジャンルや界隈が近いと、大事なライブパフォーマンスも似ていたり、テンプレ通りのライブ運びとかあってつまらないですよね。

ーー今回はジャンルの幅が広くなったように感じます。

森本:そうですね。『KNOCKOUT FES』って言ったら「どうせこのメンツでしょ」っていうのは裏切っていきたいです。他の箱から出演者を推薦をしてくれることもあります。あと、イベンターやレーベルの方から「所属はしてないけど気になる」という情報が入ってくるので、その辺も考慮してブッキングしていくとジャンルはばらけたと思ってます。

ーー過去にはMrs.GREEN APPLE、ReNなど現在の音楽シーンで活躍しているアーティストが出演していますね。

森本:Mrs.GREEN APPLEは、その日に初めてMOSAiCに出演してくれたのですが、お客さんも沢山入ってて、一味違う立ち位置に感じました。 演奏力に関してはまだ特別驚くものは感じなかったのですが、ボーカルのカリスマ性がすごかった。ボーカルの子、いい意味でムカつく顔してて(笑)。「絶対に将来、光を掴みますよ」っていう自信に満ちた顔をしていました。「すごくなるんだろうな」って思ったら2ヶ月後にはすごい事になってました(笑)。 ReN君は当時エド・シーランが日本でも流行りはじめていた頃で、その影響を感じました。今の音楽をアコースティックギターで表現していて、パフォーマンス含め、新しさを追求してる印象がありました。

ーーでは、今回の出演アーティストで「特にこのバンドは要チェック」というバンドはいますか?

森本:LIFE CORE FACTORYです。ちょっと前まではバンプとかアジカンみたいな雰囲気のバンドだったんです。 でも、「ベタなギターロックだけじゃだめだ」っていうことで音楽を研究し始めて、ここ最近UKの要素も色濃く取り入れて、若干洋楽ナイズされたバンドになってきています。チャレンジを始めてる真っ只中なので、以前のLIFE CORE FACTORYを知ってる人は意外に感じる変化ぶりだと思います。

ーー他にもいますか?

森本:あとは、fresh night pizza club、SMOKY & THE SUGAR GLIDERも、最新の洋楽サウンドにアンテナ張ってる感じがする。奮酉も楽しみです。

ーー最初は5会場でしたが、今回は9会場で開催されます。年々規模が大きくなっていますね。

森本:「出たい」って言ってくれるバンドが増えたり、紹介も増えて収まりきらなくなりました。どんどん出てもらいたいバンドが増えてます。あと、他のライブハウスとの繋がりが増えて、回を重ねるごとに「『KNOCKOUT FES』知ってるからうちも協力しますよ」って言ってくれるようになったという理由もあります。

ーー会場数が多くなるとタイムテーブルを組むのが大変かと思いますが、特にこだわっている部分はありますか?

森本:「野球で言うところの4番バッター」を各会場に入れて、お客さんが全会場を周ってもらえるような組み方をしてます。全ライブハウスそれぞれの魅力があるのを感じて欲しいので、同じジャンルで会場を固めないようにしています。

ーー前回は大トリがKAKASHIでしたが、毎回トリのバンドはどうやって決めていますか?

森本:信頼と期待値です。主催箱としてMOSAiCが大トリの会場ですが、そこに我々の期待値が出るのでチェックしてほしいです。各会場のトリは、そのバンドと真正面から戦えるような信頼できるバンドにやってもらいます。会場の店長さんにも納得してもらえるような相応しいバンドを選びます。

ーー最後に『KNOCKOUT FES』に参加される方、参加を迷われている方にメッセージをお願いします。

森本:毎日ライブハウスで実際にバンドを見て作ってるフェスで、お金の臭いもなく純粋にやっています。そこを信じて来てほしいです。ちなみに第1回目は大赤字でした(笑)。

ーーそれ以降は?

森本:2回目からは大丈夫です。継続は力なりですね(笑)。


▶イベント情報
KNOCKOUT FES
【日程】2018年4月9日
【会場】MOSAiC、SHELTER、ReG、近松、LIVEHOLIC、WAVER、mona records、BASEMENT BAR、rpm
【出演】Absolute area / Althea / Amber’s / Anima / Bray me / ChroniCloop / Coo / CRAZY WEST MOUNTAIN / The;Cutlery / Damn Drive / Day on Umbrella / Dear Chambers / Egw Eimi / été / Foi / fresh night pizza club / GINNEZ / GRANNY SMITH / Haiki / Half time Old / HelloMusic / He the She / the Howl / in da my house / LIFE CORE FACTORY / Liz is Mine. / mock heroic / Ms.take / Ms.understanding / NanoCryde / No.528 / Organic Call / Palm in the Sun / peeto / PLUMLORG / QB and planets / QLTONE / QoN / sachi. / the satellites / the shes gone / SILVERTREE / SMOKY & THE SUGAR GLIDER / Some Life / SWEL / tribe / uguis / YUMEGIWA GIRL FRIEND / WORLD WAND WOOD 256 / The 3 minutes /.(dot)any / 愛scream / アイラヴミー / 青はるまき / 雨音コンプレックス / アマリリス / イエロー・シアン・マゼンタ / イトデンワ / イロムク / 上野大樹 / 尾崎リノ / オルタニカ / 勝矢(ex.hunck)/ 川嶋志乃舞 / 気休めとディープ / サヨナラの最終回 / しなまゆ / シロとクロ / 水上カルビ / ダグアウトカヌー / とけた電球 / トビウオ / ザ ドーベルマンション / 中原くん / 中村パーキング / ニアフレンズ / にゃんぞぬデシ / 灰色ロジック / 春六 / パステル / ヒヨリノアメ / フィルフリーク / 奮酉 / みきなつみ / ミスモペ / ザ・モアイズユー / 森貴充 / 八島未樹 / 山形りお / 指先ノハク/ ユレニワ / リフレクト・リフレイン / 梨帆 / レイラ

▶関連リンク
KNOCKOUT FES公式HP