VOM!企画 スペシャルトークライブ 「〜ライブハウススタッフに聞く〜 ライブハウスの現場!そしてアフターコロナを見据えたライブハウスのあり方について」



【メンバー】森本真一郎氏(下北沢MOSAiC)、坂本正樹氏(下北沢 mona records 店長)、馬場義也氏(新宿SAMURAI 店長)、ロンドン田中氏(吉祥寺 Pllanet K 統括)

今回は、コロナ禍でライブハウスが取り組んできた事について、実際に現場で働く森本真一郎氏(下北沢MOSAiC)を総合司会に迎え、坂本正樹氏(下北沢 mona records 店長)、馬場義也氏(新宿SAMURAI 店長)、ロンドン田中氏(吉祥寺 Pllanet K 統括)に登壇していただき話を聞いた。コロナ禍でライブハウスが直面した問題とは。ライブハウスの現実に迫った。



[編集:仲尾静輝]

森本:下北沢MOSAiCの森本です。今回は「ライブハウススタッフに聞くライブハウスの現場。そしてアフターコロナを見据えたライブハウスの在り方について。」というトークテーマで錚々たるゲストをお招きしております。それでは自己紹介をお願いいたします。

坂本:同じビルの2階でカフェ「おんがく食堂」と3階のライブハウス「mona records」で店長をしております。坂本正樹と申します。よろしくお願いします。

森本:下北沢の店長の中で一番のナイスガイ!

坂本:そう言ってくれるのは森本さんだけですね(笑)。

森本:よろしくお願いします!それではお次の方お願いします。

馬場:歌舞伎町の外れにあり、最寄り駅は新大久保駅なのですが「新宿SAMURAI」と名乗らせていただいておりまして、そこで店長をしております馬場義也です。よろしくお願いします。

森本:よろしくお願いします。お次の方はリモートでの出演になりました。ロンドンさんお願いします!

ロンドン:コロナウィルスを発生させた「吉祥寺 Planet K」のロンドンタナカと申します。よろしくお願いします!

一同:笑。

森本:皆さんご存知のようにライブハウスは今回のコロナ禍でとても大変でした。2月に入りコロナウィルスの影響がライブハウス界にも及び、4月に入って緊急事態宣言が発令され休業になりました。6月に入り徐々にお客さんを入れてイベントが行えるようになり今に至るわけですが、その間それぞれが知恵を振り絞って新しい事に取り組んで来たと思うのですが、まずはその辺りをお聞かせいただけますでしょうか。

坂本:うちは新しいTシャツを作りました。しかし作った直後に緊急事態宣言が発令されて、売る場所がなくなってしまいました。そこで何か出来ないかと思い、これまでカフェとライブハウスという形で営業してきたのですが、7月17日からは両方ライブハウス化を目指して取り組んでいます。

森本:コロナ禍では、ライブハウスよりカフェの方が経営しやすそうなだけに意外な決断ですね。

坂本:時代と逆行するようですが、2階は夕方までカフェ、夜はライブハウスという形で営業しています。それが一番大きな取り組みですね。

森本:馬場さんはどうですか?。

馬場:SAMURAIも4月4日のイベントを最後に休業しました。そして緊急事態宣言が解除された5月後半から何か出来ないかと思い、80組のアーティストとコラボグッズを作成しました。それを手作業で梱包して発送するという事をずっとやっていました。その他にも営業出来ないのであれば無料で貸しちゃえ!という事で「ホールレンタル代無料キャンペーン」を行いました。

森本:運営している側からすると、無料でも使ってもらってスタッフのモチベーションを保ちたいという思いはありますよね。

馬場:そうですね。練習スタジオも休業しているところがほとんどだったので、アイドルが振り付けの練習をしていたり、アイドルのオタクが振りの練習をしていたりいました(笑)。それでも関わってくれているスタッフのモチベーションを維持したいという思いがあったので無料で貸していました。

森本:大変ですよね。Planet Kのロンドンさんはいかがでしょうか?

ロンドン:Planet Kは4月から配信ライブを始めました。

森本:配信ライブを行うのが早かったですよね。

ロンドン:動かないのがモジモジしてしまってとにかくやってみようという思いで始めました。

森本:そういう熱い思いに応えるバンド達でスケジュールもほとんど埋まっていましたよね?

ロンドン:どんどんブッキングしていきましたね。

森本:僕は今回「配信ライブはピンチをチャンスに変えられたのか」という事をテーマにしたかったんです。配信ライブは通常より人件費が掛かったり、デメリットが確かにあるのでなかなか踏み切れない部分がありました。馬場さんはどうですか?。

馬場:僕もPlane Kは取り掛かるのが早いなと思っていました。SAMURAIはつい先日配信機材が揃ったので、もっと早く動ければよかったなと思いました。

森本:Planet Kさんは元々配信機材が揃っていたというのがすごいですよね。

ロンドン:カメラなどの機材が元々あったので、それらを使って配信しました。

坂本:スイッチャー(映像を切り替える機器)もあったんですか?

ロンドン:ありました。

馬場:羨ましいですね。

森本:坂本さんはどうですか?

坂本:うちはまだ配信機材が揃いきっていなくて、まだまだテストに近い段階です。お客さんが配信を見るのに慣れてくれるのが一番のハードルだと思っているので、星野源さんやサザンオールスターズなど大物アーティストが配信をバンバンやってくれているのは有り難いですね。

森本:mona recordsさんは配信をやっていく上で有料にするのか無料にするのか決めていたりするのでしょうか?

坂本:その辺はケースバイケースでいいと思っています。これから頑張って行こうという若手のバンドなどは無料で配信して、投げ銭をいただく形でもいいと思いますし、クオリティの高いものを用意して有料配信にする形があってもどっちでもいいと思いますね。

森本:ライブハウスは現在少人数であれば有観客でイベントを開催しても良いということになっています。しかし、ライブハウスは最大人数が入った時を想定してホールレンタル代を設定しているので人数制限を行った場合レンタル代を下げざるをえない。その穴埋めで配信ライブを皆さんやられていると思うのですが、ロンドンさんはその辺りいかがですか?

ロンドン:まぁ楽しくやれればいいんじゃないですかね(笑)。最初にお金のことを考えてしまうと何にも出来なくなりますし、僕はそもそも経費などの数字系が苦手なんです(笑)。

森本:実際、通常のライブよりも配信ライブの方が売り上がることもあるのでしょうか?

ロンドン:ありますね。ただそれで儲かったとしても、店が稼働している感じがないので、基本的には少人数でもお客さんを入れた方が、お酒も売れて盛り上がりますし、稼働している感じがあっていいですね。

森本:そういった点も含め配信ライブはライブハウス毎の特色が出しにくい部分がありますよね。先程の坂本さんのお話でもあったようにどういう風に持ち味を出していくかというのがポイントになると思うのですが、坂本さんはどうお考えですか?。

坂本:確かに配信ライブで変わるのは映像の背景くらいですよね。本当はmona recordsは食事をメインでやりたいので投げ銭を「出演者の食事代」にしたり、工夫をすれば特色を出すことはできると思います。

森本:なるほど。SAMURAIさんはどうですか?。

馬場:SAMURAIは特にお酒に力を入れているのですが、配信ではドリンクが出せないので、現状は特色を見出せてないですね。

ロンドン:うちは、正直に言うと配信ライブは早くやめたいです。普通のライブだと終演後にお客さんと話したり余韻を味わう時間があるのですが、配信ライブは終了と同時にフロアが静かになるので寂しいですね。

森本:下北沢MOSAiCの場合だと最初のうちはキャンセル料金をいただける事もあったのですが、今となってはほとんどいただけておりません。皆さんはどうしているのでしょうか?

坂本:緊急事態宣言が出てから解除までの間は頂きませんでした。

馬場:SAMURAIも同じですね。3月までは、半額だけいただいて出来るだけ先の日程で振替公演をしてもらうようにしていました。緊急事態宣言が出た後は全て無料にして、今は振替公演をしていただける場合のみ無料にしています。ただ、ブッキングライブに関しては別で、元々かけていたノルマ代をそのままいただくのは少し違和感があるのですが、手配したスタッフの給料を補填する為にバンドには理解してもらって頂いています。

森本:ロンドンさんはどうですか?

ロンドン:うちも馬場さんと同じですね。

森本:他にプレイガイドを使用しているイベントを中止にすると、チケットの払い戻し手数料というのが発生するのですが、その手数料もライブハウスが負担しなければいけない場合が多く、結構な金額になる事があります。お客さんの中には払い戻しをしない方もいたりして、その場合浮いたお金はどうするのかなど、様々な問題がありますが皆さんはどうしていますか?。

ロンドン:お客さんの方から「払戻はしないのでお店で使ってください」と言われた事があって、その時は有り難く頂戴いたしました。

森本:馬場さんはどうですか?

馬場:払戻のある公演が一つ二つしかなかったのですが、それに関してはバンドに払ってもらいました。やっぱり場所を押さえるという事は、その時点でお金が発生するのは分かっている訳で、何かトラブルがあった場合でも主催者が負担するっていうので筋は通っていると思うんですよ。

森本:坂本さんはどうですか?

坂本:数件ありましたが少額だったのでうちが払いました。

森本:そうだったんですね。お聞きすることが出来てよかったです。

森本:ライブハウスが一番安全なのではないかと思う程に、各店舗それぞれ感染拡大防止に取り組んでいると思います。Planet Kさん。感染拡大防止のプレゼンテーションをお願いします。

ロンドン:スタッフにコロナ感染者を出さないという事です。

一同:笑。

森本:Planet Kさんは、人数制限など行なっているのでしょうか?

ロンドン:床に足跡のマークをつけたりしてやっています。

森本:ちなみにガイドラインに沿って人数制限をした場合、何人くらい入れるのでしょうか?

ロンドン: 実際人数制限ってズルも出来るのですが、それはやめとこうという話になって、Planet Kは通常時250人キャパなのですが、今は余裕を持って30人にしています。

森本:SAMURAIさんはどうですか?

馬場:一度ステージを含めて、全ての場所で2メートルの間隔を空ける検証を行ったのですが、まず3ピースバンドしか出れないんです。

一同:笑。

馬場:同じように2メートルで考えるとお客さんが7人しか入れなくて、7人目はバーカウンターの前になるのでライブが見れないんです。ガイドラインも曖昧ですが、キャパを半分にするようにと言っているので余裕を持って50人に制限しています。それ以外の感染防止策は全て徹底しています。

森本:そうなんですね。mona recordsさんはどうですか?

坂本:うちはキャパが120名なので30名に抑えています。うちの場合は着席でのイベントが多いので、特に立ち位置などは記していません。他の感染拡大防止策に関しては、他のライブハウスが行っていることをチェックして取り組んでいます。

森本:どこのライブハウスも感染拡大防止対策を行っているので多くの方に遊びにきていただきたいですね。

ロンドン:僕もそう思ってます。

森本:結局、お客さんを入れてやっていかなければいけないと思っておりまして、Plannet K さんを前にしてこんな事を言うのもアレなのですが「イチかバチか」なんですよ。

ロンドン:バチが当たったって言う。

一同:笑。

森本:ライブハウスは前向きにこれからも頑張っていきます。今日はありがとうございました。