キタニタツヤ × 笹川真生 6000文字インタビュー 【ネットアーティストからライブアーティストへの転換、表現者として目指す場所とは】



J – ROCKは俺らにとってのPOP。(キタニ)

ーーお二人は、ネットのシーンを飛び出して邦楽ロックシーンでしっかりと評価されていますが、それは元々目指していた部分なんでしょうか?

キタニ:やっぱり邦楽ロックシーンが育った場所なので、その土俵でかつて憧れた人達と対等に戦えるようになりたいと思っています。とりあえずそのシーンで人気者になりたいよね?

笹川:人気者になりたい。

ーーお二人の楽曲を聞いていて、キタニさんはポップな楽曲でメインストリームで評価されそうな印象で、逆に笹川さんはアンダーグラウンドなシーンで評価されそうなだと思ったのですが、意識されている事はありますか?

キタニ:僕はメインストリームに行きたいですね。真生も音楽のフォーマットはアンダーグラウンドだけど、その中にもポップスの要素はあるなと僕は感じているんですけど…どうですか?

笹川:自分ではポップなことをやっているつもりというか、どんなフォーマットで曲を出すにしても、絶対中身はポップにしたいんですよ。オアシスが好きなので。

キタニ:J – ROCKは俺らにとってのPOPだよね。

ーーネット発のアーティストは、ライブハウスのキャパシティを飛び越して、メインストリームに行く事が多いですよね。そういった点で、一般的なライブハウスを中心に活動するアーティストと活動の仕方に違いはあるのでしょうか?

キタニ:今売れているバンドも、ライブハウスの叩き上げで売れてるというよりは、YouTubeでMVがバズって売れるのが多いですよね。ライブハウスでお客さんを増やして、キャパを広げてっていうやり方をお客さんも求めてないし、バンドもそれはコスパが悪いって分かってると思います。

笹川:作品をリリースすることへのハードルが、とても低くなりましたよね。
だから、作品がリリースされるスピードも早いし、サブスクもここまで浸透してきた中で、ライブハウスに頻繁に足を運んでっていうのをお客さんもしたくないんじゃないですかね。

キタニ:僕はライブ大好きですし、人前にたってこそロックミュージシャンだと思っているので、ネットに引きこもっているのはあまり好きではないですね。ネット発のミュージシャンって、自主企画で動員を稼ぐ為にライブの本数はかなり少ないんですけど、僕は出来るだけ月1本はやりたいと思っています。

ーーお二人はネット発アーティストの中でも、ライブの表現力があると感じるのですが、やはり過去にバンドをしていた経験が大きいんですか?

キタニ:そうですね。でも僕らもバンドはやっていましたが、やっぱりライブハウスを中心に活動しているバンドに比べたらライブ力はまだ劣っているので、だからこそバンドとも対バンをたくさんして、曲もライブも負けないように、今頑張っているところですね(笑)。

笹川:そうですね。

ーーネット界隈でこういうの苦手だなとか感じることはありますか?


キタニ:あくまでスタンスの違いでしかないんですが、顔出ししないアーティストへの苦手意識は多少あります。僕にとって音楽は手段でしかなくて、それを使って自分という人間の表現をしているという気持ちでいるので。

ーー昔は、どんな人が作っているのか分からないミステリアスさみたいなところも、ネット発アーティストの魅力でありましたよね。

キタニ:それはリスナーが色んな雑念をなしに、音楽に集中することが出来るので良いと思うんです。例えば、僕がサポートしてる「ヨルシカ」の主宰 の「n-buna」という人は、「曲以外をなにも聞くな」という考え方を持っていると思っているんですけど、だから自分は表には出ないし、音楽だけにアクセス出来るようなミュージックビデオも作ってる。スタンスがハッキリしてるから、それはすごい好ましいんです。そうじゃない方向で世の中に発信していくのであれば、顔を出すリスクも負うべきなんじゃないかなーと僕は思います。

笹川:宗教が違うっていう感じだよね。

キタニ:そういうタイプのエンタメなのかな…。それはそれで、お客さんにお楽しみを与えてるってことですかね。

ーー先ほどキタニさんのお話の中で、「自分は表現の1つとして音楽をしている」というお話がありましたが、この先、新しく初めてみたいことはありますか?


キタニ:僕は音楽しか出来ないんですよ(笑)。だから星野源さんとか超カッコイイなと思います。とりあえず今は音楽で名を馳せることだけを考えていますね。真生は自分のアートワークを、他の人に提供したいと思わないの?

笹川:全然思わない。やっぱり人に提供するとなると窮屈で…。音楽で散々悩んでいるのにそれ以外の事であんまり悩みたくないですね。

キタニ:ということはやっぱり音楽が一番なんだね。

笹川:そうだね。

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